長文です。お暇なときにどうぞ(^^)
「テストで100点を取ったら服を買ってあげよう!」
「分かった!頑張る(‘◇’)ゞ」
どこにでもありそうな親子の会話ですが、少し暇だったので六法片手に考えてみました。
(見落としていたらごめんなさい。)
この会話、実は立派な契約なのです。契約とは申し込みと承諾によって成立します。
ここでは「服を買ってあげよう。」という申し込みに対して、「分かった。」と承諾しているので契約成立です。
契約にも色々種類がありますが、この契約はその中の『贈与契約』になります。
もう少し詳しく言うと、『停止条件付贈与契約』といいます。
“服を買う”という贈与契約を“テストで100点取る”まで停止させておくということです。
さてここで私、今月ちょっと小遣いを使いすぎてやばいなと思い、大人げないことを考えました。(限りなく黒に近いフィクション)
まず、この契約は本当に成立しているのか?
すると、民法第5条1項に
・未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りではない。
と、あります。
『法定代理人?』・・・僕か。
しかも『単に権利を得』とあるので、これもオッケーです。
はい!成立(‘◇’)ゞ
では、この契約「やっぱ無しね♪」と撤回出来ないのでしょうか?
こんな条文が民法第550条にあります。
・書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りではない。
おぉ!撤回できる? 履行も終わってないし。
しかしこの契約、条件が付いています。そこで条件の条文を引いてみると、
民法第128条に
・条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができない。
とあります。
これはどういうことかといいますと、条件が成就していなくても“頑張って100点さえ取れば、服を買ってもらえるんだ”という、『期待権』を有しているという考え方があり、その『期待権』を侵害すれば、不法行為に基づく損害賠償が可能である、ということなんですね。
はい!撤回も無理(‘◇’)ゞ
ってか、撤回すれば服相当分の損害賠償、つまり服を買うための小遣いを渡すことになりそうなので結果的に一緒( ̄▽ ̄;)
要するに、こういうことです。
『吐いた唾は飲めない!』・・・
四の五の条件を付けずに、黙って服を買ってあげよう♪
むしろ条件付けるとヤバいよ( ̄▽ ̄;)